定年退職後、洋裁を始めて早4作目。今回の作品は、私にとって特別な存在のものです。
それは、40数年前、若い頃の私の冒険にいつも寄り添ってくれたガソリンストーブ「スベア123」のケース。夏は登山、冬はスキーへと、山へ出かけるたびに即席めんやコーヒーを沸かしてくれた、懐かしい相棒です。
いつの間にか外箱が傷んでしまっていたので、これまでに学んだ洋裁の技術を使って、新しいケースを作ってあげることにしました。
新たな課題は「ヒモ通し」
四角いコースターで「縫い代」「角出し」、ボトルケースやメガネ袋で「マチ」を学び、少しずつ技術が身についてきた私。今回のストーブケース作りで加わった新たな技術は、「ヒモ通し」でした。
巾着袋のように、口の部分にヒモを通して絞るための構造です。
先生(妻)から教わったヒモ通しのやり方は、
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口の部分を折り返して縫う。
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その折り返した部分にヒモ通し口を開けておく。
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ヒモを通す。
というもの。
簡単そうに見えましたが、「ヒモ通し口」の正確な位置や、折り返し部分の幅を均一に保ちながら縫うことが、初心者にはなかなか難しい!
特に、ヒモ通し口を開けておく部分を間違えて、うっかり最後まで縫ってしまいそうになることも…。先生に「そこは縫っちゃダメよ!」と何度も助けてもらいながら、なんとか口の構造を完成させることができました。
新しいケースをまとって、いざ山へ!
そして、すべての工程を終え、ついにガソリンストーブケースが完成!



新しいケースをまとった相棒「スベア123」は、どこか誇らしげに見えました。
これまでに学んだ技術を総動員して作ったこのケース。完成した姿を見ると、40数年前の山での思い出がよみがえってきます。そして、洋裁を始める前の私には考えられなかった「自分で何かを作る喜び」を、改めて感じることができました。
「スベア123」に新しい服を着せてあげた今、居ても立ってもいられません。
このケースと一緒に、久しぶりに山へ出かけようと思います。山頂で、自分で作ったケースからストーブを取り出して沸かすコーヒーは、きっと格別な味がするに違いありません。
私のハンドメイドライフは、これからも冒険とともに続いていきます!