「糸調子」と「返し縫い」の基本を学んだところで、いよいよ私の洋裁人生初の作品、四角いコースターの直線縫いが始まります。試し縫いで経験したあの「ゴトゴトゴト!」と走り出すミシンの暴走を思い出し、ちょっぴり緊張しました。
フットコントローラーの微妙な操作
先生から「フットコントローラーは、軽く踏むとゆっくり、強く踏むと速く動くのよ。最初はゆっくり、針が一本一本進むくらいのスピードでいいわ」とアドバイスをもらいました。
言われた通りに、そーっとフットコントローラーに足を乗せると、ミシンはゆっくりと針を動かし始めました。よし、この調子!
しかし、気を抜くとすぐにスピードが出すぎてしまったり、逆に針が止まってしまったり…。足の裏の感覚だけでスピードをコントロールするのは、まるで車のアクセルワークのようで、なかなか奥が深いことを実感しました。
90度方向転換のコツと「縫い代」の学び
コースターは四角いので、1辺を縫い終わるごとに90度方向転換する必要があります。
「角まで縫い進んだら、針を布に刺したままの状態でフットコントローラーから足を離してね。そして、押さえ金を上げて布を90度回すの。布の端と押さえ金の端を合わせ直したら、押さえ金を下ろしてまた縫い進めるのよ。」
先生の言葉通りにやってみると…
- 角で止まる: 狙った位置で針を布に刺したまま止めるのが、これが意外と難しい!勢い余って角を通り過ぎてしまったり、手前で止まりすぎたり。
- 押さえ金を上げる: レバーを操作して押さえ金を上げるのですが、慣れないうちはスムーズにできません。
- 90度回転: 布をくるっと回し、新しい辺を縫う準備をします。
- 押さえ金を下ろす: これを忘れると、布がしっかり固定されずに縫い目がぐちゃぐちゃになるんだそうです。
特に難しかったのは、**「縫い代」**の存在でした。先生から「布の端から8ミリのところを縫う」と指示があったのですが、このミシンの針板にはガイド線がありません。針の中心から8ミリ離れたところの押さえ金と布の端を合わせながら縫うのが、最初は至難の業。何度も目線を落として確認しながら、ゆっくりゆっくり針を進めました。
初めての直線縫いを終えて
四角いコースターの4辺を縫い終え、縫い始めと縫い終わりに返し縫いをしながらミシンから布を外しました。
「見て!先生!なんとか形になったよ!」
先生は私の縫い目を見て、にこやかに「いいね!最初はみんなこんな感じよ」と言ってくれました。もちろん、縫い目はガタガタ、角も完璧とは言えませんが、自分でミシンを使って一枚の布がコースターの形になったことに、大きな達成感を感じました。
糸調子、返し縫い、そしてフットコントローラーの操作に90度方向転換。一つ一つの工程が私にとっては新しい挑戦で、洋裁の奥深さを改めて感じています。
次回は、この四角いコースターを完成させるための最終工程へ!

いざ、本番の直線縫いスタート。